2025年03月22日
キャンプにおけるタープ利用のメリットとデメリット

タープについて少し書こうと思う。
キャンプにおいてタープは雨や日差しを防いだり、他所からの視線を遮ってプライベート感を出したり、あると何かと便利だ。
大きなタープを使えば開放的なリビングスペースを作ることもできる。
いやいや、わざわざタープなんて張らんでもツールームテントでいいやんけと思ったそこのあなた。
そうなのです。全くごもっともです。
でも実際のキャンプシーンではツールームテントではなく、テント+タープの組み合わせの方が都合がいいこともあるのです。
なので、今回はタープならではの長所と短所を自分なりにまとめてみたので書いていこうと思う。
(ここでいうタープとはオープンタープのことね)
【タープのメリット、良い点】
① 夏場に涼しく過ごせる

こちらの写真は真夏だったが、TCタープの下で優雅に過ごせた。
これは高さがあり、日陰の面積も大きく、四方が開放されているタープならではだと思う。
ツールームテントでも各パネルを開放すれば風通し自体はよくできるが、そうすると日陰が小さくなってしまう。
日の向きに合わせてパネルを閉じると、日陰はできるが今度は風通しが悪くなってしまう。
タープはその点、日の傾きに応じて片端を落としたりの調整をしつつも、風通しを確保できる。
また、タープは天井高を高く設定できる。
暑い日差しに曝されると幕体は熱を持つが、高く張ることで熱を持った幕体ともクリアランスをしっかりと取れるので熱が籠りにくくなる。
② 軽量かつコンパクトに納まる
これもタープの大きなメリットだ。
幕体とポールの材質にもよるが、ポリエステルやナイロンのタープに、アルミのポールを使用すればファミリー向けの大型のタープであってもペグを含まない重量は5~6kgくらいに納まるだろう。
参考までに、俺が使っているタープセットを例に出そう。
タープ本体:ヒルバーグ タープ20UL…1,500g
メインポール:スームルーム アルミタープポール280㎝×φ33㎜…1,290g×2(ただし、実際は一節抜いて使っているのでもう少し軽い)
サブポール:8teil コキザミポール 204㎝×φ19㎜…420g×2
25cmチタンペグ:45g×8本
で総重量は5kg程度となる。
この組み合わせなら6人くらいまでだったら問題なく過ごせるリビングスペースを作り出せると思う。

これは上記のヒルバーグタープだが、とても広い空間を作り出せる。
③ やろうと思えばタープの下で焚火ができる

2023年のファミリーグループキャンプの写真。時折小雨がぱらついたが、タープ下で焚火を楽しめた。
キャンプをしていると雨に降られることも多くあるだろう。
そんな時、「今夜は雨予報だ…だが焚火はしたい…!どうする!?」という葛藤を抱えることはないだろうか。
抱えますよね?抱えるんです。
焚火まではいかなくても、炭火を使った調理くらいはしたいということであればもう少し分かってくれる人も多くなるだろうか。
そういった場合にタープであればその下で火を扱うことができなくもない。
しかしツールームテントの前室ではそうはいかない。
誤解なきよう言っておくが、これに関してはあまり推奨はするべきではない…ということは伝えておきたい。
万が一何かの弾みでタープが倒壊して、そこに焚火が燃え移ったら大惨事になりかねない。
また、火の粉の付着によるタープへのダメージというのも考えられる。
お気に入りのタープに火の粉で穴が空いたらショックだろう。
④ アレンジ性が高い
タープの張り方次第で日差しや他所からの視線を自由に遮断することできる。
また、テントとの位置関係も自由だ。
テントを覆うように張ればテントを雨や日差しから守ったりできるし、逆に少し離して設営することもできる。
いわゆる「オガワ張り」みたいな張り方であればテントとタープ間で一直線の導線を作れる。
ツールームテントの前室であるかのごとくリビングスペースを設けられる。


オガワ張りをしてテントとタープ下を一直線に繋いだ画。
⑤テントとは独立させて設営・撤収ができる
これも大きな利点で、雨が降っているからタープをまず張ろうとか、子どもの遊び場としてテントを先に張ろうとか、状況に応じて臨機応変に対応が可能。
撤収の際も同様だ。
⑥設営がシンプル
ロープの張力でポールを立てる感覚さえ分かれば一人でも設営ができる。
4本のペグでメインポール2本で立てれば、あとは両翼を引っ張ってペグダウンするだけ。
また、スクエアでもレクタでもヘキサでもオクタでも、よっぽど変わった形状のものでなければ同じ手順で設営することができる。
つまり、一度張り方のコツを掴めれば別のタープを買ったとしても新たに手順を覚える必要がない。
⑦自宅での乾燥、収納が楽

雨に降られて濡れてしまった場合等、どうしても乾燥撤収が難しい時は沢山あると思うが、タープはテントと違って平面的な作りになっているので自宅で干すのが楽。
また、平面的な作りなので畳むのもテントに比べて当然楽。
タープというのは雨に打たれること前提で使われることもかなり多いと思うので、自宅での乾燥と収納が楽というのは大きなメリットであると思う。
【タープのデメリット、悪い点】
①冬場は寒い
夏場は開放的で涼しく過ごしやすい一方、冬場にタープ下にリビングを作るのは寒い。
ツールームテントであれば閉め切ってストーブを焚けば暖かく過ごすことができるが、タープの場合はそうはいかない。
②設営に広大なスペースが必要
ロープの張力でポールを支えるため、ロープを長く引っ張る必要がある。
張り方や使うポールの長さで変動はするが、前後左右ともタープ本体のサイズにプラスして4m程度ロープを伸ばすための余裕が欲しい。
例えば、4m×4mの正方形タープを使うのであれば、前後左右にプラス4mした8m×8mの区画サイズがあった方がいい。
③風に煽られやすい
高さがあり、横から見た時の投影面積が大きくなりがちで風の煽りを受けやすい。
ペグが抜けて倒壊したり、ポールが折れたり、ロープがちぎれたり、タープの幕体が裂けるというリスクが出てくる。
風だけであればタープを片してしまえばいいのだが、実際には雨とセットで襲ってくることも珍しくはない。
「雨対策のタープが風で倒壊してテント内で狭苦しく過ごすことになった・・・」というケースもあるだろう。(経験者)
④張り方によっては雨や雪で倒壊しかねない
これも注意が必要で、特にメインポールの他にサブポールを使って地面と平行に張るようなやり方だと、雨が溜まって重みで倒壊に繋がる。
メインポールとサブポールでできるだけ高低差をつけるとか、雨が抜ける道を作るとか対策はいくらでもあるが、これも実際のキャンプシーンだと面倒臭がって対策を怠ったり、サイトから離れている隙や寝ている時に雨足が強まって倒壊・・・ということはよくあると思う。(経験者)

サブポールを使って半面を水平に跳ね上げたスタイル。この後、雨が溜まって倒壊した。
⑤設営が難しい
いやいや、メリットのところで設営がシンプルって書いたやんけと思ったそこのあなた。その通りです。
上でも書いた通り、ロープの張力でポールを支える感覚が分かれば1人でも確実に設営が可能。
それは間違いないのだが、いざやってみるとこれが結構難しかったりして、何回かやらないとメインポールとペグダウンの位置関係やロープの張りの感覚は覚えられないと思う。
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と、色々とタープの善し悪しを書いてみた。
偉そうに知ったかぶって書いてしまったが、俺自身タープを初めて使ったのは息子とキャンプをやりだしてからだ。
それまではタープというものをあまり良く分かっておらず、キャンプをする時はビニールシートを屋根変わりにして使っていた。
逆説的だが、屋根になるものであればなんだってタープとして使えるとも言える。
ただ、実際にタープを使ってみるとなかなか楽しいもので、間違いなく俺のキャンプライフを豊かにしてくれている道具の1つであると思う。
また、状況次第でロープワークを駆使して設営しなければならないケースもあり、そういった経験を積むのは生きる力になる。(少し大袈裟か)