【山行記録】令和6年11月3日㈰~4日㈪御在所縦走

jun-z

2024年11月07日 18:08


2日目朝:ダガーストームと息子


初日:山上公園からの夕焼け


今回の軌跡


息子と2人で御在所→国見岳→青岳のテント泊縦走をしてきたぞ。

いや、本当は朝明登山口からコクイ谷経由で御在所までを往復をするつもりだったのだが、初日時点で帰りは国見岳と青岳を経由する周回コースにしようと計画を変更した。
結果的に縦走路となり、息子は年長にしてテント泊縦走をする(させられる)ことになる。


今回は結構冷え込むだろうということで衣類や寝具はしっかりしたものを持って行ったし、食料や水も2日分をフルで持って行った。
(実際のところは御在所のレストランで夕食を摂り、水も補給できた)
また、息子の負担減のためにお菓子と遊び道具(大量のぬいぐるみと任天堂Switch)以外は全て俺が背負った。

なのでザック重量は21kgもあり、ここが少し心配だった。




三連休というのもあり、朝明駐車場は11時の到着時点では満車。
しかし、この時間なら朝イチ行動している人は下山してくる時間だろう。
予想は的中し、難なく入れ違いで停めることができた。


トイレを済ませて11時11分に山行を開始。



まず根の平峠へ向かう。
最初はガレた沢みたいな堰堤沿いを渡渉(沢や川を横断すること)しつつ進んで行き、途中から樹林帯を登って行く。



下山中の人に聞いたが、前日の雨で沢は水量が多いとのこと。
渡渉ポイントの多くは息子を抱っこして渡った。
筋肉に任せた力業だが、ザックと息子の計43kgを担いで渡渉するのはなかなか大変だ。


途中で俺と同い年くらいの2人組のお兄さんと一緒になり、その人達と一緒に進んで行った。
お兄さんは気さくで息子に明るく声をかけてくれた。


息子はそれで気合いが入り、得意の登りはスイスイと進んで行く。
最後は少し斜度が急になるが、意に介さず登り通してあっという間に根の平峠に到着。



ここから少し進んだ分岐でお兄さん達とは別れる。
イブネへ向かって行った。

元気よく別れの挨拶をして、コクイ谷へ向かう。
さて、ここからが非常に厄介な道だ。
木の密度が一気に上がり、踏み跡がほとんどなくなる。

沢があり「基本的には沢と平行に進んでいけばいい」のだが、沢の近くまで降りた方がいいのか、高い位置をキープして進んでいけばいいのかが分からない。

おまけに目印のピンクテープもあんまりなかったり、あってもあらぬ場所を示していたりするものがあって信用し切れない。
踏み跡がないということは人があまり通らないということで、そのことが不安感を煽ってくる。

以前雨乞岳へ行く時に通ったことがあり、こんなもんだというのは分かっていたので、息子が不安がらないように常に雑談をし続けた。

途中で分岐があり、そこからは初めて通る道となる。
あとで調べたら地獄谷とかいう名前がついているらしい。
相変わらず分かりづらいし、ここから何度も水量の多い沢を渡渉させられて散々なルートだった。



当初の予定では往復で行程を組んでいたが、この時点で「帰りは別のルートで行こう」と息子と意見が一致した。

ずっと沢沿いを水平移動していたが、いよいよ登りが出てくる。
林の中を上がる樹林帯が途切れて空と岩場が見えた。
国見岳への分岐に当たる場所で、名物ゴジラ岩だ。



ここから更に登ると御在所山上公園へ着く。
ザレ場とガレ場をミックスしたような地質を頑張って登る。

…しんどい。
やはりザック重量が重かったか。
しかし、ペース的には息子に合わせているから基本的にはゆっくりだし、急登らしい急登があった訳でもない。

なんとか登り切り、ゲレンデ通って山上公園へ。
よし、これで今日の行程はほぼ終わりだ!


レストランで椅子に座って美味いもんを食いたいんじゃ。

っと、なにやらすげぇ行列だ。
行楽シーズンだからロープウェーの列だな。
コクイからは人気のない道を歩いてきたので、人が沢山いることに妙に安心してしまった。

幸いにもレストランは若いカップルが「もうどきますので」と席を空けてくれて、ようやく椅子に座ることができた。

息子はフライドポテトとカレーとセブンティーンのアイスをペロッと平らげた(しかもこの後テントでおにぎりを2個食べた)。
俺はカツカレーを頂いた。



混んでいるところ申し訳ないと思いつつ、少しだけゆっくりさせてもらった。
大きなザックが邪魔にならないように、できるだけの配慮はしたし、使っている2席以上は専有しないように気を付けた。


暖房が効いていて暖かいので、ずっとここにいたいが、日没が迫っているのでキャンプ地の御嶽大権現へ向かう。
少しアップダウンがある道を1kmほど歩くが、舗装路なので単純に歩いていくだけ。しかしどうも疲れる。


御嶽大権現への到着は17時24分。夕焼けが美しい。


この裏手にテントを張る。


息子はこういう時は「手伝おうか?」と聞いてくれる。頼もしいなぁ。しかし疲れているだろうし、もう暗いのでスマホでにゃんこ大戦争をしながら休んでもらっていた。
その隙に手早くテントを張る。

外でマットを膨らませて、寝袋と一緒にテントへ放り込む。
これでようやく靴を脱いで寝っ転がれるぞ!

…しかし寒い。
標高的に下界よりも7~8℃ほど低い訳だが、それでも平地の初冬くらいの寒さのはず。
半袖Tシャツ、ロンT、ウインドシェル、薄手のダウンを着てテント内にいるのにおかしい。
たまらず寝袋をブランケット代わりに被る。

また、湯を沸かしてお湯を飲んだり湯たんぽを作る。
バーナーの使用によりテント内が暖まったのもあり、少しマシになるが、根本的には解消されていない感じだ。

実は道中で少し違和感があったのだが、どうも熱があるっぽいなと、ここで確信した。
いや確信というか、認めたくない現実をようやく認めたというか…
ここまで来てしまったらどうしようもないので、とりあえず最大限暖かい恰好をして横になる。

さて、明日の工程をどうしようか。
今日とは別のルートで帰ろうとは言ったが、それだと国見岳→青岳→ハライドと縦走していくルートが一般的か。
以前通ったことがあるが、国見岳近辺からガレ場が多くなるし、ハライド近くは結構険しい道だった。
息子が行けるか心配だ。

俺自身の体調の問題もある。
いや、俺の体調は多少悪くてもロキソニンで解熱すれば問題ないが、これがもしも息子に移ってしまっていたらマズイ。
本当に最悪のシナリオとして、ロープウェー下山→タクシーで朝明までという手もなくはないということだけ考えておいた。

息子はポケモンアニメを見ているが、これが終わったら寝るようにと伝えて俺は先に寝る。悪いな。

21時くらいに寝て、0時頃に目が覚めたが、寒気は治まっていた。
頭が熱くなり、いよいよ本格的に熱が上がってきたなという感じ。
ただ、気持ち悪さとか節々の痛み、だるさはなく、本当にただ単に熱があるだけ。

これはただの疲れかもしれないな。
とりあえずバファリンを1錠飲み、再び床に就く。
ただ、風がとんでもなく強くて、不安もあってここからは寝られなかった。

寝られない一方、バファリンの効果抜きにしても体調は良くなっている感じがした。
暑かったので寝袋のチャックを開放してブランケットのようにしていたが、それでも暑かったので、終いにはほとんど引っぺがして寝ていた。

明け方に少しだけ眠ることができて、6時30分頃に息子に起こされた。
とりあえず息子は体調バッチリっぽい。俺も本調子ではないけど、「うーん、ちょっと熱あるかなぁ?」くらいな感じにまで回復した。


朝はゆっくり過ごした。優雅な朝…とまではいかないが、ダガーストーム3Pは親子2人なら広々使える。

8時過ぎに片付け始めて、そこから行動開始。
息子とも相談したが、ルートは御在所→国見岳→青岳を縦走していき、そこから根の平峠を経由することにした。
青岳~根の平峠間は未知数だが、ハライドのキツイ登り返しよりは絶対にいいだろうと判断した。

根の平峠まで行ってしまえば緩やかな下りが続くだけだし、「昨日も通ったところだ」という安心感がある。なにより人の往来が多い。
山ノボラーというのは優しい人が多いので、年長の息子が頑張っているだけで声援を送ってくれる。
単純なもので、声援を送ってもらえると息子は良い気になって頑張ってくれる。


まずはサクッと御在所に登頂。御嶽大権現からは舗装路を歩いて最後に階段を登るだけなのですぐに到着。


例の如く濃霧に包まれていて何も見えねぇので、さっさと次へ向かう。



ここからは国見岳を目指すが、昨日も通ってきたガレ場を下っていく。
非常に歩きにくい。特に息子は本格的な下りは初めてで、歩みはゆっくりだった。
一段一段、慎重に下る。

時間はかかりながらも国見峠へ到着し、ここからまた少し登り返して国見岳へと向かう。
距離的には短いが、そこそこの登りなのに加えて、岩場やザレ場があるため注意しよう。
この区間では単独行のお兄さんと一緒になって少しの間行動を共にした。

ここでも息子は調子に乗ってお兄さんについていく。
また、良いところを見せたいのか、まき道がある岩場をわざわざ直登でよじ登って行く。
お兄さんと俺が褒めると「楽勝なんだけど?」という顔をする。


鎖場も頑張り、


登り返しを終えて国見岳へ到着。お兄さんはここで先に行ったためお別れ。

やはり濃霧に包まれた山頂だが、一応国見岳っぽい岩の写真だけ撮影。


ここからは結構急な下りが続く。
青岳まではすぐだが、やはり慎重に進んでいくため結構時間がかかった。
特に見どころはないし、肝心の青岳はいつ通過したのか分からなかった。
昨年10月の単独行の時もこんなだった気がするぞ…

これで3つの山のピークを踏んだことになるので、あとはひたすら樹林帯の中を下っていく。
どれも霧の中で眺望はなかったが、途中で微妙に絶景ポイントがあった。


息子は俺の真似をして「絶景だ」と言っていた。


そこそこの斜度で息子は苦戦している。途中で脚を滑らせて尻もちをついたりしたが、「この葉っぱのせいで
滑った!」とか言って葉っぱに怒りをぶつけていた。
いや、泣かれるよりはこっちの方がいい。

青岳から根の平峠までの道は俺自身も初めてだったが、斜度がそこそこあって所々滑りやすい箇所があるくらいで、ゆっくりながらも波乱なく下山できるルートだ。

根の平峠まで下りると「見慣れた風景」と言った感じ。


3組ほど休憩しているグループがあったが、中には小学生連れのファミリーもいて関心した。小さいのに偉いなぁ。
人の往来も多く、ここからはもう安心だろう。

樹林帯を下っていき、堰堤を渡渉し、最後の最後で息子がドボンし(俺も以前最後の最後でドボンした)、国道まで出る。
道路に出てからも微妙に10~15分くらい歩くが、もうすぐだ。

駐車場に辿りついたのが12時55分。
山行終了だ。


6歳(年長)1にして17km、高低差延べ1300mを踏破した。
普段は鈍臭く臆病なクセに泣き言は一言も言わずによく頑張った。父は猛烈に感動している。

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