Hillberg(ヒルバーグ)のniak1.5(ニアック1.5)を購入した。
実は数か月ほど前から二アックは欲しいと思っていたところ、新品が定価の半額以下の値段で見つかった。
流石にこのサイズのテントで20万近くを出すことはできないが、10万円以下であれば、なんとか…(致命傷)
本当は赤かグリーンが良かったけど、まぁいいや。
二アックはヒルバーグのレーベルシステムの中ではイエローレーベルに属しており、軽量性を重視した3シーズンテントとなっている。
ヒルバーグ社としては過酷な環境下での使用は推奨していないが、それでも9㎜のポール径と、高い引き裂き強度を誇るフライシートは並の山岳テントよりはずっと強いんじゃないかと思う。
フレーム構造としては飾りっ気のないクロスフレーム構造。
サブフレーム等で内部空間の拡張をしていない分居住性は落ちるが、風には強いだろう。
二アックを欲しいと思っていたのは手持ちのダガーストーム3Pとは別に、超硬派な登山用テントを持っておきたいと考えていたからだ。
ダガーストームは人気のテント場で張るには占有面積がデカ過ぎるし、耐風性の面でもY字フレームをハブで繋いだ構造は心もとなさがある。
稜線上のとんでもない暴風を耐えた実績はあるものの、前室の張り出し部が風に押し込まれてかなり恐怖を感じた。
ということで自宅室内で早速設営をしてみた。
ポールを1本ずつ片端から通していき、突き当り部分で止まったらポールカップにハメる。
もう1本も同じ要領で作業を進めていけば自立する。
収納袋に納まった状態からここまでで2分程度。ボトムと前室の張り出し、ガイラインまでペグダウンしたとしても通常のコンディションであれば5分もあれば設営が完了するのではないだろうか。
二アック1.5という名称の通り、「基本は1人で快適に使ってね~。でもペットとか親子で使うのもありだよ~」なサイズ感。
実際にマットを並べるとこんな感じ。
幅には余裕はないけど、頑張って壁に寄せれば頭側なり足側なりに少しの空間を作れるので、そこに少しくらいなら荷物を置くことは可能。
ただしザックなんかを置くと寝具と確実に干渉するだろう。
ちょっとした前室もある。
基本的には靴とかを置く空間になるだろうけど、一応頑張れば調理もできなくなさそう。
アルストとクッカーのセットを配置してみる。
こう見るとスペース的な余裕はありそうだが、実際は前室の壁が結構近いので火を点けて作業をするなら細心の注意が必要だろう。
特に実際のテント泊シーンでは無風なんてことはほとんどなく、風が吹けば風向次第で前室の幕体は内側に押し込まれる。
ちなみに、前室パネルジッパー部の中腹に謎のループがある。(写真ではロープを結び付けてあるが、これは俺が後付けしただけで、公式な付属品ではない)
二アックの設営動画でも説明書内でも特に触れられていないが、「必要であればここにもガイライン結んでいいよ~」ってことなのかもしれない。
そうであれば風が吹く環境下でも幕体が内側に押し込まれるのをある程度は防げるだろうか。
ただ、位置的にあまりテンションをかけるとジッパーの開け閉めが上手くいかなくなりそうだし、下手したら破損も考えられるので注意したい。
インナーのドアパネルに関しては二アック(というかヒルバーグのイエローレーベルテント)はメッシュパネル一枚となっている。
つまりフルクローズ状態にできない。
なので冬の使用は厳しいのではないだろうか…と思うかもしれないし、ヒルバーグとしても過酷ではない温暖な気候で使うよう推奨しているが、このメッシュパネルがかなり目が細かく上質。
メッシュというより、通気性のあるナイロンというような印象。
実際に外側からクレイモアの扇風機の風を当ててみたが、メッシュパネルによりブロックされて、ほとんど風は吹きこまない。
このパネルにより内部の熱気が逃げていくことはあるだろうが、外からの風が吹き込んで寒さが助長される…ということはあまり心配しなくてもいいのかなと感じた。
あと、イエローレーベルと言えどボトムはとにかく分厚い。
生地自体もそうだが、防水のPU(ポリウレタンコーティング)がしっかりしてあるんだなと感じる。
ん?PUコーティング?ヒルバーグってシリコンコーティングじゃないの?と思ったそこのあなた、いいとこに目を付けましたね。
確かにフライは全面シリコンコーティングで、縫い目も特殊な縫製方法でシームテープ無しでも雨漏りしてくることはありません。
一方でインナーのボトムはPUコーティング+生地の継ぎ目はシームテープ処理なのです。
知らなかったでしょ?
なのでヒルバーグのテントは加水分解しない(し辛い)から一生モノ!というのは半分本当で、半分は嘘。
インナーボトムは他のメーカーのテント同様に普通に加水分解は進むし、シームテープも浮いてきます。
二アックだけではなく、他のヒルバーグテントにも言えることだが、全体的に強度が重視された作りであるのは間違いない。
上で書いたボトムの件もそうだし、スリーブ生地も超極厚。
負荷がかかることが想定される部位がとにかく頑丈。
二アックは1~2人用のダブルウォール構造だが、シンプルなクロスフレームでありながら重量は1.7~1.8㎏程度ある。
最近の山岳テント事情からするとかなり重い部類だが、強度を重要視しており、それが重量に反映されているんだなぁと考えると、納得がいく。
意図せずして週末の予定がどんどん埋まっていていつ山に担いで行けるかは謎だが、アウトドアへのモチベーションは高い。
二アックには良き相棒になってもらいたい。